色とりどりの世界は、私じゃなくてやっぱり君のものなんだ

センスのないタイトルつけてすみません。


最近買ったCD

ゼロコンマ、色とりどりの世界

ゼロコンマ、色とりどりの世界


先行して公開されていた、アルバムタイトルにもなっている「ゼロコンマ、色とりどりの世界」が、あまりにポップ過ぎて少し買うのをためらったけれど、買って正解。


Mass of the Fermenting Dregs、通称「マスドレ」。
2年前に出会った。早く生で聴いてみたいし見てみたいと思っていたところ、その年のサマソニに出演。
膝下まであ丈の、花柄のワンピースを着たボーカル。ボーカルなのにベース。
ファンキーな感じの見た目のギター、唯一男の人のドラム、あれ?全員女じゃなかったの?
「せーの!」の合図で鋭くて思いおとが鳴り響き、曲が始まった。
花柄ワンピースの女の人は頭をやんやんと揺らしながら、裸足でステップを刻み、時には手拍子やカスタネット。
あらあら、ワンピースの裾が膝より上に上がってきてまっせ、と言うくらいに激しく。
鼓膜を破るかと思うくらいに本当に鋭いギター。この人たち、こんなに激しかったの?とワクワクした。
そんな人たちがやってる音楽は、まだまだ荒削りで、アンビバレントで、ドキドキした。
去年出たアルバム、『ワールドイズユアーズ』、世界は君のもの。
洗練され始めて、最初聴いた時に、あのとき感じたドキドキやワクワクが無くなってしまうんじゃないか?と怖くなった。
でもその僕が「失った」と感じた部分を補うように、気持ちの込められた音楽に変わっていたと思う。
聴くほどに歌詞の世界が広がるようになっていき、激しさが足りないと思っていたけれど、違う感情のようなものがこみ上げてくるような音楽に。
中でもアルバムタイトルになっている「ワールドイズユアーズ」は頭から離れなくなった。



その後メジャー移籍してシングルを出してから、初めてのアルバム。
鋭く重かった音は、時に激しく、時に緩やかに、時に悶えるように色んな表情が見えるように。
初めて聴いた時のドキドキやワクワクに加えて、2枚目で聴いた彼女たちの「気持ち」の伝わる作品になったと感じる。
彼女たち独自の世界観というか、目で見て耳で聞いて、五感をフルに使って感じたものが詰まっているように。
今は決して悪い方向には進んでいないと思う(悪い方向も何も、あくまで僕の趣味の上での話なので、彼女らは別にとやかく言われる筋合いはないのだけれども)。
音も言葉も「格好いい」から、どれだけ鋭く思い音が出ていようが「素敵だなぁ」と思えるような音楽が詰まっていると感じまる。
マスドレが素敵というか、ボーカルのなつこんを見て、こんなに素敵な女性がいるんだなと。
これからも楽しみやし、早くライブで聴いてみたくなった。ライブに行きたい。
あの、なつこんの「何をしても似合わなくて可愛く感じてしまう」パフォーマンスが見たくて仕方がない。